近年、AI技術の進化により、誰でも手軽に高品質なイラストを生成できるようになりました。「絵は苦手だけど、AIを活用したイラストなら販売できそう」と考えている人も多いのではないでしょうか。
AIで生成したイラストの販売は、副業としてはじめやすく、SNSやネットショップと連携すれば、継続的に収入を得られる可能性もあります。ただし、販売サイトごとに利用者層や人気ジャンル、規約が異なるため、自分に合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。
そこで本記事では、AIイラストを販売できるおすすめのサイトを9選紹介し、あわせて収益化のコツや注意点も解説します。効率よく副収入を得たい方や、自分の作品を広めたい方はぜひ参考にしてください。
AIで生成したイラストを販売できるサイトおすすめ9選
AIで生成したイラストを販売できるサイトは数多くありますが、それぞれに特徴や利用条件があります。
ここでは、副業としてAIイラストの販売を考えている方におすすめの「イラスト販売サイト」を9個ご紹介します。利用のしやすさや収益化の仕組みを比較しながら、自分に合ったサービスを選んでください。
1.イラストAC
「イラストAC」は、日本文化に合うイラストを無料ダウンロードできる国内最大級のフリー素材サイトです。
投稿者はイラストレーターとして登録(無料)することで、自分の作品を販売できます。AIで生成したイラストも、使用ツールや規約を正しく申告すれば販売が可能です。
利用者数は1500万人超え。1ダウンロードごとに報酬が得られる仕組みで、副業としてコツコツ収益を積み上げられます。
専用プロフィールページが用意され、ポートフォリオとして作品を発表できるほか、お仕事依頼メール機能で企業から直接声がかかるチャンスもあります。
【AI生成画像販売時の注意点】
AI生成作品を投稿する際は、利用ツールの申告や著作権確認が必須です。虚偽申告が発覚するとアカウント停止などの措置が取られるため、規約を必ず守りましょう。
2.PIXTA(ピクスタ)
PIXTAは、1億点以上の素材を提供する国内有数のストックフォトサービスです。AIイラストも審査を通過すれば販売対象になり、自分の作品が広告や出版物など幅広い媒体に使われる可能性があります。
登録後は著作権や肖像権について学ぶ入門講座を受講し、テスト合格後に素材をアップロードできる流れです。売上は「クリエイターランク」や「独占販売制度」に応じてコミッション率が上がる仕組みで、実績を積むほど収益性が高まります。
作品が購入されると通知が届くので、モチベーションを保ちながら活動できるのも特徴です。
【AI生成画像販売時の注意点】
AIで生成したイラストは、作品登録時の画面で「AI生成素材である」という部分にチェックを入れる必要があります。依拠性や著作権が曖昧な素材は審査で却下されるため、注意が必要です。
3.Adobe Stock(アドビ ストック)
「Adobe Stock」は、3億点以上の素材を取り扱う世界的なプラットフォームです。AIで生成したイラストも、ガイドラインを守れば販売できます。
Adobeアカウントを作成し、イラストをアップロードして審査に通過すれば販売が開始されます。売上は購入者のプランや素材の種類によって変動し、動画などは1点で数千円以上になるケースも珍しくありません。
ロイヤリティは25ドル以上で出金可能。作品がダウンロードされるたびに報酬が発生する仕組みで、プロを目指す人にも信頼性の高いプラットフォームです。
【AI生成画像販売時の注意点】
AI生成イラストは必ず「AI作品」として明示する必要があり、人物や建物が含まれる場合はリリースの提出が求められます。規約違反は販売不可になるため注意しましょう。
4.MotinElements(モーションエレメンツ)
「MotionElements」は、イラストをはじめ、動画やBGMなど動画制作に必要な素材に特化したマーケットプレイスです。利用規約を厳守すれば、AIで生成したイラストの投稿・販売も可能。
販売クリエイターアカウントを無料で作成し作品をアップロードすると、ストック素材がダウンロードされるごとにロイヤリティを獲得できる仕組みとなっています。
単品販売と定額プランの2種類の販売方法があり、プランに応じて50~70%の収益を得られます。売上はPayPalやPayoneerで受け取ることができ、副収入として安定的に積み重ねられるのもメリットです。
【AI生成画像販売時の注意点】
AI生成コンテンツを投稿する場合は、権利・許諾確認および利用規約の厳守が求められます。規約を守らないとアカウント停止の対象になるため、事前確認を徹底しましょう。
5.BOOTH(ブース)
「BOOTH」は、pixivと連携した同人・創作向けのデジタル販売プラットフォームで、AIイラストの販売も可能です。
アップロードして販売するストックフォトとは異なり、ショップを開設して自分の作品を直接販売でき、価格設定や紹介文の記載など自由度が高い点が大きな特徴。
電子コンテンツとしてのダウンロード販売だけでなく、紙媒体での郵送にも対応しており、匿名配送や発送代行オプションもあるため、手間なくイラスト販売に挑戦できます。
利用料は売上の5.6%+22円のみで、固定費がかからないのも副業として始めやすいポイントです。
【AI生成画像販売時の注意点】
模倣や大量投稿は非公開の対象となる場合があります。AIイラストを出品する際は、オリジナリティを意識し、規約を守って運営しましょう。
6.Amazon Kindle(アマゾン キンドル)
「Amazon Kindle」は、AIイラストを活用した電子書籍や写真集を世界中のAmazonストアで販売できるサービスです。
出版は簡単で、原稿をアップロードすれば数日以内に電子書籍として公開されます。米国や日本をはじめ多くの国で販売ができ、売上から最大70%のロイヤリティを獲得可能です。
電子版と紙版の両方に対応しており、自分で希望小売価格を設定できるのも大きなメリット。AIで生成したイラストを活かし、電子書籍という形で収益化を目指したい方におすすめの販売サイトです。
【AI生成画像販売時の注意点】
AI生成のイラストを利用する場合は、表紙や本文を含め必ず「AI生成」と申告が必要です。規約違反を避けるため、事前に必ず確認しましょう。
7.アワートAI
「アワートAI」は、AIで生成したイラスト作品の投稿・販売に特化した国内サービスです。
クリエイター向けの支援制度や公認クリエイター制度があり、作品を通じて収益化を目指せます。メンバーシップ機能を使えば月額課金や単品販売も可能で、投げ銭機能による応援も受け取れます。
生成モデルや設定が豊富で、オリジナルキャラクター登録や予約投稿機能など、他のプラットフォームにない独自の機能が揃っているのも特徴です。コミュニティ機能を通じてファンと交流できる点も大きな魅力です。
【AI生成画像販売時の注意点】
AI生成のイラストを販売する場合は、その旨を表記する必要があります。また、プランごとに画像生成の利用回数に制限が設けられているため、より多くのイラストを生成したい場合は有料プランへの登録が必要です。
8.OpenSea(オープンシー)
「OpenSea」は、AIで生成したイラストをNFT(非代替性トークン)化して、世界最大規模で販売できるNFTマーケットプレイスです。
NFTはブロックチェーンで唯一性が証明されるため、作品に「本物の価値」を持たせられるのが特徴です。
イラストだけでなく動画や音楽など幅広いデジタル作品を出品でき、固定価格販売やオークション形式で収益化できます。世界中のコレクターにアプローチできるため、自分のAIイラストを国際的に発信したい人にも適しています。
ロイヤリティ設定も可能で、転売時にも利益が還元される仕組みです。
【AI生成画像販売時の注意点】
NFTを出品・販売するためには暗号資産(仮想通貨)が必要になるため、事前に仮想通貨取引所の口座開設をしておく必要があります。
9.HEXA(ヘキサ)
「HEXA」は、日本円だけでAIイラストをNFT(非代替性トークン)として販売できるサービスです。
AI生成イラストを誰でも簡単にNFT化して販売でき、発行費用もかかりません。販売収益も円で受け取れるため、複雑な仮想通貨の会計処理が不要な点が大きな魅力です。
HEXAで転売された場合でも、継続して著作者に収益が入り続けるロイヤリティ機能も搭載。また、NFTを飾って楽しめるHEXA独自のメタバース空間もあり、AIイラストの新たな販売方法として注目されています。
【AI生成画像販売時の注意点】
AI生成イラストのNFT販売においては、発行者が権利を100%保有していることが前提です。著作権の適法性は発行者の責任となり、AIアプリ側の「商用利用可」などの表記があっても保証にはならないため、十分な確認が求められます。
AIで生成したイラスト販売を成功させる3つのコツ
AIで生成したイラストを販売して収益を得るには、ただ出品するだけでは不十分です。
継続的に売上を伸ばすためには、闇雲にイラストをアップデートするのではなく、戦略的に動く必要があります。
ここからは、AIイラスト販売を成功に導くための3つのポイントを紹介します。AIイラストで副業収入を稼ぎたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
1.利用するサイトの傾向を把握する
AIイラスト販売を成功させるには、まず利用するサイトの傾向を事前に把握しておくことが重要です。サイトごとに人気ジャンルや利用者層、AIイラストの受け入れ基準や表示方法は大きく異なります。
たとえば、国内サイトでは日本的なモチーフが好まれる一方、NFTマーケットプレイスではアート性の高い作品が注目されやすいなど、それぞれに特色があります。そのため、自分の作品テイストと相性の良い販売先を選ぶことが成功への近道になります。
さらに、AI生成コンテンツの申告を義務づけているサービスや、表示方法に独自ルールを設けているケースも少なくありません。規約を丁寧に確認し、ルールを守りながらユーザーに響く訴求を工夫することで、より効率的に収益化を目指せます。
2.需要が高いニッチなテーマを販売する
AIイラストを販売する際は、誰もが出品しているテーマよりも、特定層に支持されるニッチなジャンルを狙うのが有効です。
一般的な風景やキャラクターは数が多く埋もれやすいため、購入者の心をつかむのが難しい傾向にあります。その一方で、マニアックな趣味や特定の文化圏に根ざしたテーマは、熱心なファンがいて需要が継続しやすいのが特徴です。
流行のキーワードや検索ボリュームを分析し、まだ出品数が少ないジャンルを見つけることで、自分のAIイラストを際立たせることができます。
独自性のある切り口を持つことで、購入者からのリピートや口コミによる拡散も期待できるでしょう。
3.SNSなど集客につながる活動を行う
AIイラスト販売を軌道に乗せるためには、作品の投稿だけでなく、SNSなどを活用した集客活動が欠かせません。
作品の完成形だけを見せるのではなく、生成過程のメイキングや制作の裏話、使い方の提案などを発信することで、ファンとの信頼関係を築けます。
特にInstagramやX(旧Twitter)、Pinterestといったビジュアル重視のSNSは相性が良く、定期的に投稿すれば認知度を高めやすいです。
また、コメントやコミュニティ機能を通じた交流も効果的で、ファンが応援したくなるような環境を整えることが集客アップにつながります。作品を「販売する場」と「知ってもらう場」を両立させることが、長期的な収益化のポイントです。
AIで生成したイラストを販売する際の注意点
AIで生成したイラストで収益化を目指すなら、成功のコツと同時に理解しておくべき注意点が存在します。
特に権利関係やサイトの規約は厳格に定められていることが多く、違反すると大きなリスクを負うことになりかねません。
ここでは、AIイラスト販売を安全かつ継続的に行うために、必ず把握しておくべき3つの注意点について解説します。イラスト販売をはじめる前に、必ず確認しておきましょう。
利用するサイトの規約を確認する
AIで生成したイラストを販売する際、利用するサイトの規約確認は最優先事項です。
AI生成画像の投稿や販売については、サイトごとに受け入れの可否、AIツールの申告義務、禁止事項など、詳細な条件が設けられています。
たとえば、特定のAIモデルの使用が禁止されている場合や、生成過程の一部を開示する必要がある場合などがあります。規約違反が発覚すると、AIイラストの非公開措置はもちろん、アカウント停止や将来的な損害賠償請求といったリスクにもつながりかねません。
特にAIは進化が早く、サイトごとのルールも頻繁に更新されます。トラブルを避けるためにも、利用開始前だけでなく、規約は定期的に見直す習慣をつけましょう。
著作権や商用利用について理解しておく
AIイラストの販売では、著作権や商用利用に関する理解が欠かせません。
AI生成物は既存の作品やキャラクターを模倣してしまう可能性があり、そのまま販売すれば著作権や商標権の侵害にあたるリスクがあります。さらに、人物をモデルにした場合は肖像権の問題も生じやすいため要注意です。
安全に販売するには、商用利用が許可されたAIモデルや有料プランを選び、提供元のガイドラインを遵守しましょう。法的トラブルを避けるためにも、「販売可能かどうか」を都度確認しながら活用する意識が重要となります。
収益化までには時間がかかる
AIイラストの販売は、すぐに大きな利益が出るわけではありません。
ストック型サイトでのイラスト販売は、作品が1ダウンロードごとの単価が比較的低く設定されていることが多く、大きな収益を得るには、根気よく多くの作品を出品し、販売実績を積み重ねる必要があります。
また、作品が購入者の目に留まるよう、前回解説したようにSNSを活用した集客や宣伝活動も欠かせません。短期的に大きな成果を期待するのではなく、AI生成イラストを販売する活動を継続することが、最終的な収益化のコツであることを念頭に置いて取り組みましょう。
まとめ|AIイラストを販売して収益化を目指そう
本記事では、AIで生成したイラストを販売できるおすすめサイト9選から、販売を成功させるコツ、そして知っておくべき注意点を解説しました。
AIイラスト販売は、特別なスキルや時間にとらわれず、効率良く収入アップを目指せる副業として非常に魅力的です。
イラストACやAdobe Stockのようなストックフォトサイトから、OpenSeaやHEXAのようなNFTマーケットプレイスまで、サイトの選択肢は幅広くあります。
重要なのは、自分が生成したAIイラストの販売スタイルや作品の傾向に合わせて最適なサイトを選び、著作権や規約などの注意点を遵守することです。販売は地道な活動の積み重ねですが、コツを押さえて継続すれば、安定した収益化につながるでしょう。
まずは気になるサイトに登録して、実際に作品を出品しながら販売の感覚を掴むところからはじめてみてはいかがでしょうか。
AIイラスト販売に関するよくある質問
Q.AIイラストを生成できるおすすめのツールは?
A.特におすすめのAIイラスト生成ツールは、「Stable Diffusion」と「Canva AI」です。
- Stable Diffusion:高いカスタマイズ性と商用利用が可能であることから、多くのAIイラストクリエイターに支持されています。細かなプロンプト設定やモデルの調整によって、他にはない独自のイラスト生成を目指すことが可能です。
- Canva AI:操作が直感的で、初心者でも簡単にイラスト生成ができるのが特長です。SNS投稿や資料作成など日常的なシーンでも活用できるため、副業としての販売準備から普段使いまで幅広く対応できます。
他にもさまざまなAIイラスト生成ツールがあるので、自分のスキルレベルや目的に合わせて最適なツールを選んでみましょう。
Q.販売するにあたってAIイラストの独自性を高める方法は?
A.AIイラスト販売で競合と差別化し、独自性を高める方法は主に2つあります。
まず、プロンプトで細かいキャラクター設定や背景、世界観を明確に提示することです。単なるイラストではなく、個性やストーリー性を持たせることで、作品に深みが生まれ、販売するAIイラストの価値を高めることにつながります。
同じAIツールを使っていても、プロンプトを工夫すれば全く違う作品に仕上げられるのがポイントです。
そして、生成後のイラストをそのまま販売せず、色調補正や質感の加筆を加えることで、オリジナリティが高まります。
このようにAIと人の手を組み合わせることで、他のクリエイターとの差別化ができ、販売で選ばれる作品につながります。